第10回全世界空手道選手権大会王者
NPO法人 全世界空手道連盟 新極真会
世田谷・杉並支部 支部長
塚本徳臣氏
2012/3/6 13:30
◆業種
空手指導員
◆子供のころになりたかったものは?
絵描き
同居していた祖父が仏像彫りの仕事をしていた。
その祖父は、私が作ったねんど細工等を見ると、必ず「才能がある!」と褒めてくれた。
その影響もあってか、絵が好きで小学校3年生頃から油絵を習いだした。
また、丁度その頃、父の勧めで、体を鍛えるため極真空手も習い始めた。
そのうち、自分の体で芸術(技)を表現したくなった。
技とは、早くて強くて美しいもの。
美しく、綺麗な技は、綺麗な身なりから創造される。
私の道場では髭は禁止。
日々の生活を正しくしてこそ技は磨かれる。
雑な生活から技は完成しない。
道着を綺麗にしていなければ勝てる訳がない!
◆毎日欠かさずしていることはありますか?
反省
毎日、夜寝る前に反省をしている。
30歳、子供が産まれた頃から始めたことだ。
今年で8年になる。
最初の4年間は、1歳から10歳、11歳から20歳、30歳から現在というように区切って当時を振り返り反省した。
すると毎日、色々なことが思い出される。
あんなこともしてしまった、こんなこともしてしまった。
どこがいけなかったかを考え反省する。
そうすることによって我欲が取り除かれていく。
4年程前からは、その日一日を振り返り反省している。
反省しながら、正しい道を精進しているか、バランス良く出来ているか等を神に訪ねる。
そして守護霊、ご先祖様方に感謝して寝る。
これも強くなりたい!という一心から生まれたことだ。
技術や体力が同じようにあって、どちらも勝つために多大な努力をする。
勝ちたいと思う心は様々だ。
例えば片方は、我欲のため(皆から賞賛されたい、自分の使うためのお金がほしい。)に願い、もう一方は、孤児院建設資金のために勝ちたいと願ったとする。
そうしたとき、神はどちらを勝たせたいと思うかだ。
公的な願いは、神様が見方してくれる。
神を見方につけるには我欲をとること、我欲を取るには反省することだ。
反省をするとき、最初のうちは反省したことを紙に書くとよい。
心で反省したと思っても、いざ紙に書こうと思うと意外と書けない。
本当に反省していないと紙に書き出すことは出来ないからだ。
我欲を取り除き、正しく念じる。
道場には8つの行いを掲げてある。
正しく見
正しく思い
正しく語り
正しく仕事をし
正しく生活をし
正しく念じ
正しく道を精進し
正しく反省と瞑想
正しくとは、神と繋がっていれば自ずとわかること。
良い人間に近づくことは、神に近づくことになるのだ。
神様は、太陽の光のように常に皆を照らしている。
太陽の光が、雲に覆われた地上には届かないのと同じように、受け取る側の人間の心が曇っていたら、神がいくら平等に光を降り注いでくれても受け取れない。
この心の曇りが我欲。
我欲を取るには反省が一番!
◆自分の支えになった、或いは変えた人物・本は?
緑健児 代表
自分のお金を全部組織のために使ってしまうような人で、何をやっても一生懸命な姿に、周りの人間が、「やらなければ!」いや、「やりたい」という衝動にかられる。
大会があると、集合時間の一時間前には来ていて、動き回っている。
大会が始まれば、最初の試合から全部見ている。
とにかく凄い人。
◆自分の人生を変えたきっかけになった言葉は?
「天地一つ」
その昔、柳生石舟斎(やぎゅうせきしゅうさい)〔新陰流しんかげりゅう継承者〕が、上泉伊勢守(かみいずみいせのかみ)〔新陰流の達人〕に何度挑戦しても勝てなかった。
その時、上泉伊勢守は、「あなたの剣は素晴らしい。」
「だが、あなたの心の中は我に満ちている。」
「われを見よ。」
「剣とは何か、我が剣は天地一つ」と言ったという。
神との一体化が如何に強いかを表した言葉だ。
宇宙のエネルギーを取り入れて、天と地と一つとなる。
◆人生の転機はいつどんなことでしたか?
4年前の第9回全世界空手道選手権大会で負けた時。
第9回全世界空手道選手権大会の決勝戦、相手の選手が「天と繋がっている」と、試合中にわかった。
神懸かっていたのだ。
私は、「自分のためにしか戦っていなかった。」と反省した。
それまでも、毎日反省をしていたが、潜在意識の中に隠れた我を取り除き切ることが出来ていなかったのだと思う。
もっと深く自分を見つめなおし、反省することで、第10回全世界空手道選手権大会の少し前に、「天地一つ」が完全にわかった。
「天地一つ」がわかるまでは、「運命をもねじ伏せろ」と力ずくで、上り詰めてきた。
しかし、力ずくには限界があった。
お釈迦様の教えにもある。
お釈迦様が荒行の修行中、湖に写った自分の顔が、おじいさんのようになっていたのを見て驚いた。
「これでは、悟りを開く前に死んでしまう。」
その時、お釈迦様は思った。
びわの弦も張り過ぎれば切れてしまうし、緩すぎれば良い音は出ない。
どちらも過ぎればバランスを崩す。
調度良いのが良い。
荒行のような修行は止めよう。
また、努力を重ね人一倍に練習することは当たり前。
皆、一日は24時間と決まっているのだ。
差をつけたい!と思い、寝ている間に「夢の中で練習しよう」と考えついた。
練習しているところや、皆が応援してくれているところをイメージしながら寝る。
すると、応援してくれている人々が夢に出てきて、「塚本勝てよ!」との思いが通じ、心の底から感謝が芽生える。
そして去年、第10回全世界空手道選手権大会で「天地一つ」となった瞬間、優勝することが出来た。
勝ちたければ、誰よりも練習するのは基本。
加えて「天地一つ」と感謝に勝るものはない。
◆問題、障害或いは試練は?どうやって乗り越えたのですか?
常に積極的精神で立ち向かう!
日常の中にも色々な問題障害がある。
最近、八王子道場を開いた。
世田谷道場から八王子道場まではいつも酒井指導員と二人で行っている。
ところがある日、酒井指導員がインフルエンザに罹り自分一人で行かなければならなくなった。
八王子に土地勘もなく、一人で行ったことがない。
ある人にとってはたいしたことではないかも知れないが、自分にとってはとても苦手なことだ。
しかし、ここは積極的な精神で前向きにがんばることにした。
一度、一人で行かれたら、今後何かあっても躊躇なく一人で行かれるようになるだろう。
成長できる!
そう思い、一度はインフルエンザになった酒井君に「健康管理が悪い!気合が足りない!」等と叱ったものの感謝することにした。
「酒井ありがとう!」
大きいことも小さいことも、積極的精神で乗り越えている。
◆夢は?
「天地一つ」を世界に広めたい。
世界チヤンピオンになったのも、「天地一つ」を伝えるための使命だと思った。
お蔭様で、「天地一つ」がわかった時、家族や仲間を更に愛するようになった。
更に、テロや貧困にあえぐ国の人も、自分の一部であることがわかった。
世界チャンピオンの肩書きを使って、「天地一つ」はもちろんのこと、世界中の人々に人を愛するやさしい心を伝えて行きたい。
【新極真会】世田谷・八王子 塚本道場
http://ameblo.jp/setagaya-tsukamoto-dojo/
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