漫画家
高橋陽一氏
2011/6/28(火)14:00
◆業種
漫画家
◆子供のころになりたかったものは?
小学生の低学年は、プロ野球選手になりたかった。
小学校高学年の頃から漫画家に憧れ始め、「巨人の星」や「あしたのジョー」の絵をよく真似て描いた。
ストーリーも自分で考え、野球やウルトラマンのような怪獣ものなど、動きのあるものが好きだった。
だからといって絵ばかり描いていた訳ではない。
小学生の頃は野球少年で、日が暮れるまで外で遊んで、家に帰るとずっと絵を描いている、というような子供だった。
◆毎日欠かさずしていることはありますか?
体を動かすこと。
フットサルのチームにも入っているし、アシスタントと時間が空けば卓球やテニスをしに行く。
気分転換にもなるし、ストーリーの発想が沸く。
漫画のネタは、自室で「うんうん」唸って考えることもあるが、テレビや雑誌を見ている時、体を動かしているときに「ピン!」とくることもあるのだ。
◆自分の支えになった、或いは変えた人物・本は?
週刊「少年ジャンプ」
この雑誌があったから漫画家を目指したし、プロの漫画家になれたのだと思う。
◆自分の人生を変えたきっかけになった言葉は?
「諦めないで!」
諦めたら終わり。
「好きなことを、諦めず続けていれば思いは叶う。」という自分の経験から出た言葉。
◆人生の転機はいつどんなことでしたか?
高校3年生の春。
プロの漫画家になることを決意したとき。
高校3年生になって、将来を考えたとき一度は大学に進学しようと思ったが、弟が二人もいるし家計の負担を考えると私大は難しい。
しかし、国公立大学に合格するほど勉強をしてこなかったので、本格的に漫画家を目指すことにした。
高校3年生まで、野球部を続けていたので、高3の夏休みから本格的にストーリー漫画を手がけ始めた。
出来上がった作品を手に、出版社に通いつめれば、どこか漫画家の先生にアシスタントとして紹介してもらえるだろう。
そう思って、就職活動のかわりに、出版社に作品を持って飛び込んだ。
その場で作品を読んでくれ、担当がついた。
担当者について半年間程、何度も何度も修正をかけて一つの作品を仕上げた。
それが、高校3年生の終わりに、少年ジャンプの佳作に入賞。
嬉しかった。嬉しかったが、これからだ!とも思った。
佳作は、作品が雑誌に掲載されない。
次は新人賞だ!
高校を卒業と同時に、雑誌社の紹介で平松伸二先生のアシスタントに入った。
アシスタントとはいえ、皆凄く上手で「やはりプロは違うなぁ」と思った。
同時に、「この中でやっていけるのか?!」とプレッシャーを感じたことを覚えている。
アシスタントをしながら、仕事が終わると自宅に帰って自分の作品を描いた。
1年間、4回連続で佳作に入賞し、5本目に新人賞を取った。
新人賞を取ると、少年ジャンプに賞を取った作品が掲載される。
19歳にして、漫画家としてデビューが叶った。
さぁ!これからは本格的に連載を目指さなければ。
自分は高校卒業後、進学も就職もしないでこの道に入ったのだから、プロとして食べていくには連載を獲得しなければならない。
もう戻るにもどれない、前に進むしかないのだ。
少年ジャンプに、連載が採用されるにはストーリーを3回分書いて応募しなければならない。
プロの先生方も応募してくる。
しかもチャンスは年に4回しかなく、採用されるのは1本だけだ。
常にストーリーのことを考え、描きまくった。
1年後、20歳のとき「キャプテン翼」で連載が叶った。
それから30年、今も「キャプテン翼」と共にある。
◆問題、障害或いは試練は?どうやって乗り越えたのですか?
手がけた作品がボツになるとき。
連載を目指していると、3本分も描くので主人公に愛着が沸き感情移入してしまう。
その作品を「ダメ!」と、バッサリ斬られてしまうことが辛かった。
また、ゼロからのスタートになる。
しかし、へこんでいても仕方がない。
「認めてもらうには、どうしたら良いのだろう。」と、毎日、明けても暮れても考え続けた。
元来、ストーリー漫画を描くことが大好きだ。
好きなことを、諦めずに続けてきたことで乗り越えられたのだと思う。
この諦めずに続ける精神を養えたのは、高校3年間の野球部で培ったもの。
3年間続けられた!という経験が、自分の中で自信になって活きている。
部活を続けられたのは、野球が好きだったこともあるが、あるひとつの出来事が影響していると思う。
部活に入って、初めて試合に出られることになった日。
試合前の練習でエラーばかり。
すると、当日メンバーを交代させられてしまった。
試合に出たのは別の人。
結局、自分は試合に出場できなかった。
後で考えると、意気込みとプレッシャーで相当緊張していたからだろう。
物凄く悔しくて、「この思いは2度としない!」と心に誓った。
悔しくて恥ずかしかったが、諦めず試合出場を目指し部活を続けた。
それからは、試合出場が決まっても、自分を冷静に客観視することで緊張を楽しんだ。
当然、メンバー交代になるようなことは2度となかった。
また、小学生の頃から、一度描きかけた絵を途中でやめるようなことをしない子だった。
生まれ持った性分、というものもあるのだろう。
それに加え、「好きなことを、諦めず続けていれば思いは叶う。」という経験の積み重ねで、今の自分があるのだと思う。
◆夢は?
地元、葛飾に「Jリーグのチーム」を作りたい!
そして、スタジオの横に「キャプテン翼ミュージアム」を作るのが夢だ。
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